判例解説
【判例解説】住宅ローン等の借金がある場合の遺留分侵害額の計算の仕方(最高裁判所平成8年11月26日最高裁第三小法廷判決)
多額の財産を有する方ほど、住宅ローンや、アパートの建築のためのローン等、多くの債務を有していることが多いです。 今回は、借金がある場合の遺留分侵害額の計算について解説します。 判例当時は遺留分減殺請求といって、現在とは制度が異なり、不動産等…
【判例解説】借主が死亡したら土地を返さなきゃいけないの?
被相続人が無償で土地を借りて自分で家を建てて住んでいたような場合、被相続人の死亡により、当該土地の使用借権はどうなるでしょうか。相続人は、建物を壊して貸主に土地を返さなければならないのでしょうか。 この点に関して、裁判例をご紹介しながらご説…
【判例解説】死亡保険金は相続でどのように考慮されるか?
(最高裁平成16年10月29日第二小法廷決定) 1 事案の概要 母親が亡くなり,その子どもたち4人(X1,X2,X3,Y)が相続人となり,X1,X2,X3が,Yに対して遺産分割調停を申し立てた事案です。 母親名義の財産としては,不動産や預貯…
【判例解説】できるの?遺産分割協議のやり直し
(①最高裁判所平成元年2月9日第一小法廷判決) (②最高裁判所平成2年9月27日第一小法廷判決) 今回は,2つの判例をご紹介し,遺産分割協議をやり直すことができるのかという点をテーマに,お話ししたいと思います。 1 事実の概要 ⑴ ①最高裁…
【弁護士による判例解説】遺産に属する不動産から生じた賃料が発生した場合、どのように管理した方が良いか。(最高裁平成17年9月8日判決を参考に)
1 事案の概要 登場人物は全部で四人です。父(被相続人)、配偶者(相続人)、前妻の子ども二人(相続人)です。 被相続人は、複数の不動産を他人に貸しており、賃料が発生するいわゆる「収益物件」を所有していたところ、相続人間では、任意の話し合いで…