相続人調査はどのようにして行うべきか

代表弁護士 多湖 翔 (たこ つばさ)
多湖総合法律事務所
所属 / 神奈川県弁護士会 (登録番号46487)

相続が開始される、その瞬間から相続財産は一時的に相続人全員の共有財産となります。

そして、遺産分割協議を行うことでそれぞれの持ち分について話し合うのですが、ここで忘れてはならないのが、相続人全員で行わなかった遺産分割は無効になるということです。

そのため、相続が開始されたら、まずは財産調査に加えて相続人調査も行い、誰が相続人なのかをはっきりさせる必要があります。相続人は自分が知っている親族だけとは限りません。

例えば、過去に誰も知らなかった結婚歴があり、そこに子どもがいたとしましょう。

この場合、被相続人の家族の中では誰も知らなかったとしても、その子どもは間違いなく相続人になります。このように身内だけだと思っていたが、実は身内の誰も知らなかった相続人がいることもあり得えます。

そこで今回は、相続人調査について解説していきます。

相続人調査に苦労する場合

相続人調査では、まず、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を取り寄せます。過去に本籍地を移していない場合は、1つの市区町村役場ですべての戸籍謄本が揃います。

しかし現実には、ひとつの本籍地で一生を終える方は少なく、本籍地を数回移している場合がほとんどです。

また、被相続人の婚姻や離婚の回数が多い場合は、その都度、本籍地を移している回数も多くなるため、すべての市区町村役場から戸籍謄本を取り寄せなければなりません。当然、時間も手間もかかります。戸籍謄本は郵送で取り寄せることが可能ですが、手元に届くまでには1週間以上かかることもあります。

戸籍の種類について

次に、戸籍の種類について解説していきます。戸籍には、現在戸籍、除籍、原戸籍の3種類があります。

まず、現在戸籍とは、現在存在している戸籍のことです。

次に、除籍とは、戸籍に記載されている人全員が、死亡や結婚、本籍地の移転などによって、その戸籍に誰も居なくなった戸籍のことです。そして、原戸籍とは、法令などの理由によって新しい戸籍に変わるまで使われていた古い戸籍のことです。

ほとんどの現在戸籍はすでに電子化されていますが、除籍や原戸籍の場合で、古い時代のものは手書きで書かれているものも多く、読みにくい場合があります。そのような場合は、地区町村役場に読み方を尋ねてみましょう。

また、戸籍収集は基本的に、死亡したときの本籍地から順に辿っていくのですが、中には合併などによって今はない名称の本籍地になっていることも珍しくはありません。その場合、その周辺の市区町村役場に連絡して、請求先について尋ねてみると円滑に進むので、覚えておくと良いでしょう。

なお、戸籍には戸籍謄本と戸籍抄本とがありますが、手続きで使用するのはすべて戸籍謄本となります。戸籍抄本というのは、一部を省略したものをいうため、各種手続きには利用できませんので注意してください。

戸籍謄本を取得するには

それでは次に、戸籍謄本の取り方について解説していきます。戸籍謄本は、被相続人の本籍地の市区町村役場で取ることができます。

申請書等は窓口に置いてありますが、遠方や時間帯の都合などで直接窓口に行くことが難しい場合は、郵送で取り寄せることができます。その場合、各市区町村役場のホームページから郵送申請用の申請書をダウンロードします。

その他、身分証明書の写しや、取り寄せの対象者が直系親族でない場合は、相続関係を証明するために戸籍謄本の写しが必要になる場合があります。取得する方と被相続人の関係性によって必要書類が異なるので、事前に市区町村役場にて確認するのが良いでしょう。

なお、郵送申請の際は手数料として小為替と返信用の封筒を同封します。手数料は全国一律で、現在戸籍が450円、除籍・原戸籍が750円となっているので、必要な枚数分を入れておきましょう。

もし、いくつ戸籍が保管されているかわからない場合は、少し多めに入れておくとスムーズに戸籍の入手が可能となります。

相続人調査は弁護士に依頼してみよう

相続関係が複雑な場合、戸籍謄本の取得には時間と手間がかかってしまいます。

また、被相続人が高齢であった場合、古い戸籍を取り寄せなければならないことから、戸籍を読み解くのが困難になります。

さらに、郵送申請する場合も、申請書をダウンロードしたり、必要書類の確認を行ったりしなければなりません。上記に加え、相続開始から3ヶ月以内に相続放棄や限定承認、10ヶ月以内に相続税の申告・納税と、相続には期間が定められた手続きも多く、限られた時間の中で調査を行わなければなりません。

仮に、相続人調査に不安を感じている方は、弁護士への依頼を検討してみてください。弁護士であれば、職権にて戸籍謄本の取り寄せが可能なうえ、戸籍実務についての知識も豊富です。相続手続きにおける負担を大幅に軽減できるので、ご検討してみてはいかがでしょうか?

当事務所においても、相続人調査のご依頼をはじめ、相続に関する様々なご相談を受け付けております。初回であれば30分の無料相談も承っておりますのでお気軽にご相談ください。

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