判例解説

【弁護士による判例解説】「遺言に記載された「一切の財産」の解釈が問題となった事例」 東京地方裁判所平成18年10月19日判決

今回は,遺言を形式的に解釈しなかった裁判例をご紹介します。 1 事案の概要(説明の都合上簡略化しています) 亡Aの長女Yは,Aが亡くなる前日と当日に,A名義の信用金庫から合計500万円を引き出していました。Aは公正証書遺言を残しており,この…

【弁護士による判例解説】「遺留分侵害額請求と消滅時効を止める方法」最高裁判所平成10年6月11日判決 東京地裁令和元年9月19日判決

今回は、遺留分侵害額請求と消滅時効を止める方法について解説します。 1 遺留分侵害額請求の消滅時効 遺留分侵害額請求の消滅時効は、「遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、…

【弁護士による判例解説】「相続欠格と代襲相続」

1.相続欠格とは 民法891条に定められた以下の5つの事由に該当した場合、相続人は、相続人の資格を失います。これを相続欠格といいます。 ① 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたた…

【弁護士による判例解説】「死亡に伴う公的給付と相続放棄」

人が死亡すると,各種公的な給付金の受取りについて,相続人に案内が届くことがあります。こうした給付金を受け取っても相続放棄を行えるのか,ご説明します。 1 法定単純承認(民法921条1号本文) 相続人が「相続財産の全部又は一部を処分した」場合…

【弁護士による判例解説】「遺産分割の代償金の支払を分割にすることが出来るか。」 神戸家裁尼崎支部昭和48年7月31日審判 福岡高裁昭和40年5月6日決定

1 代償金が払えない。 「遺産の中に不動産は多く残っているが、現金が少ない。」という状態は、相続問題において非常に多くみられる現象です。遺産の中に現金が少ないと、土地を相続人間で分割することになり、土地ごとに価額が大きく違う場合には、法定相…

【弁護士による判例解説】「相続放棄と単純承認」

1.法定単純承認事由 相続人が相続財産の「処分」をしたときには、相続を単純承認したものとみなされることから(民法921条1号)、相続放棄ができなくなります。 また、相続放棄をした後であっても、相続財産を「隠匿」したり、「私にこれを費用」した…

【弁護士による判例解説】「被相続人の土地の無償使用と特別受益」 東京地裁平成15年11月17日判決

今回は、被相続人の土地を相続人の1人が無償使用している場合に、それが特別受益として考慮されるのかご説明します。 1 事案の概要 本判決の事案を簡略化して説明すると、被相続人Aが亡くなり、Aは遺言で、妻と3人の子らのそれぞれに遺産を分け与えま…

12

初回60分相談無料

相続トラブル・手続きのお悩みはお任せください

要予約

無料相談予約はこちら

0120-359-138
平日9:00〜18:00 ※ご予約で夜間土日祝対応可能
24時間受付中/メール相談予約フォームはこちら
※土日祝除く / 夜間・土日祝相談対応可能(要予約) / 相続相談に限る。