事業承継について

代表弁護士 多湖 翔 (たこ つばさ)
多湖総合法律事務所
所属 / 神奈川県弁護士会 (登録番号46487)

自分が事故などで亡くなった場合は、会社はどうすればいいだろうか?

そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。実は相続では、個人が保有する不動産や預貯金だけでなく、事業そのものを承継させる手続きを行う場合もあります。

とはいえ、現在はコロナ禍の影響はもちろん、人員不足からの後継者が育っていない会社も非常に多く、自身の代で終えてしまおうと考えている方も多いのが実情です。

しかし、どうしても廃業したくない気持ちがあるなら、事業承継についての知識を付けてみてはいかがでしょうか?

今回は、事業承継について詳しく見ていきます。

そもそも事業承継って?

事業承継とは、自分以外の誰かに事業そのものを引き継いでもらう手続きです。会社名義の資産だけでなく経営権、会社が抱えている取引先などの情報などが含まれます。

なお、会社名義になっている負債についても引き継ぐことになるため注意が必要となっています。こうした点からも、一般的な相続の不動産や預貯金の名義変更とは異なり、事前に引き継ぐ相手との協議も求められるため、非常に煩雑な手続きになります。

事業承継しました、といって会社そのものが成り立つわけではありませんので、経営者が元気なうちから十分な準備期間を取らなければなりません。

もし仮に、事業承継の期間が不足していて、十分な引き継ぎができないまま亡くなってしまうとなれば、廃業を免れる術はないといっても過言ではありません。

特に、負債が残っている状態では、債権者による取り立てがスタートしますし、会社名義の資産は強制的に売却、その清算が済み次第、会社自体も消滅といった、最悪の結末を辿ることになる可能性もあります。

事業承継には3つの方法がある

では次に、事業承継の3つの方法についても見ていきましょう。

1、後継者への事業承継

後継者に事業承継をするのであれば、そのほとんどの場合は自身の相続人の中から選ぶ、もしくは親族から選ぶというケースが中小企業においては多いのではないでしょうか。

しかし、後継者=相続人(親族)である必要はなく、社員の中に相応しい人材がいれば、その方を後継者にしても問題はありません。いずれにしても後継者への事業承継の場合、業務の引き継ぎはもちろん、経営者として保有している株式の譲渡、取引先への通知といった業務が行われます。

後継者に事業承継する上でのメリットは、自身の信頼できる相手に事業を任せられるという点です。また、社員の中から抜擢したのであれば、すでに他の社員との信頼関係が出来上がっていることも多く、会社全体の指揮が上がる可能性もあります。安心して引退できるというものです。

2、上場

自身の会社を任せられる後継者がいないのであれば、いっそのこと上場してみるのも手です。もし上場となれば、会社のために自身で行っていた個人保証や資産の担保を解消できます。

また、上場となれば当然ながら注目を集めますし、中途採用などで優秀な人材が集まることも期待できます。優秀な人材が集まるということは、自身の後継者も探しやすくなります。

ただし、ネックとなるのが、中小企業にとって上場は簡単ではありません。とはいえ、長年自身が努力を重ねてきた会社ですので、一度は上場に挑戦してみるのも良い方法と言えるのではないでしょうか。

3、M&A

M&Aというのは、企業同士の吸収合併のことをいいます。いわば、自身の会社を他の会社に買いと言ってもらうということです。もし買い手がみつかれば、事業ごと会社を引き渡すことになるため、後継者探しに苦心する必要がなくなります。

M&Aの大きなメリットは、購入したい者がいればすぐにでも成立し、売却代金は自身の手元に入ってきます。よくあるケースでは、この売却代金を自身の退職金のように考えている方もいらっしゃいます。経営者の立場で退職金をもらえることはまずありませんから、そういった意味でも良い選択肢の1つと言えるのではないでしょうか。

ただし、経営状況が不振であったり、多額の負債を抱えていたりなど、あまりにマイナスファクターが多い場合は、買い手がつかないことも当然ながらあります。買い手がつかなければ、いつまでたっても手続きは進みませんので、この点に関してはデメリットと言えます。

事業承継については当事務所にご相談ください

上記のように、単に事業承継といっても様々な方法がありますし、どの方法を選択したとしても、必ずと言って良いほど法律問題の壁に当たることになります。

当事務所には弁護士しか所属していませんが、必要があれば提携している他士業を紹介することも可能です。

いずれにしても、現在経営者としてどのようなお考えをお持ちなのか、今後どのようなことを理想としているのか、そういった点を細かくお聞かせください。経営者の思いに親身に寄り添い、当事務所に可能な手続きがあれば全力でサポートさせていただきます。

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