相続法の大改正によって何がどう変わったの? 

近年、相続法が大改正されたことで実務上においてもいくつかの変更点が生じました。

これまで相続法が改正されなかったわけではなく、何度かマイナーチェンジをしてきたことはありましたが、ここまで大きな大改正は昭和55年以来となっています。

とはいえ、一般の方目線では何がどう変わったのかわからない…という方がほとんどなのではないでしょうか?

そこで今回は、相続法の改正について、ここだけ覚えておけば大丈夫といった点を簡単にまとめてみました。

覚えておきたい改正は6つ

相続法改正の中でも、皆様の生活に直結しそうなのは以下の6つとなっています。

1、配偶者居住権(短期居住権)

配偶者居住権とは、亡くなった方と一緒に住んでいた配偶者がいた場合、一定の短期間、または亡くなるまでの期間、無償でそのまま住み続けることができる権利のことです。これにより、配偶者の方が遺産分割によって住む家を奪われることがなくなりました。

細かく見ると少しわかり難いのですが、建物に付属する権利を「負担付き所有権」と「配偶者居住権」に分け、配偶者以外の相続人が負担付き所有権を、配偶者が配偶者居住権を得られるように変更されたのです。

2、自筆証書遺言の簡略化

自筆証書遺言といえば、最初から最後まですべてを自筆しなければ法的に有効であるとは認められていませんでした。それゆえ、多くの財産を保有している方にとっては、財産目録を自筆しなければならない点が非常に負担でした。

しかし、今回の改正によって、財産目録についてはパソコンの打ち込みでも認められることとなりました。また、預金通帳についてもコピーの添付が認められ、自筆部分が大きく簡略化されました。

とはいえ、作成ルールそのものが大きく変更されたわけではありませんので、
訂正時の手順・日付・押印など、基本的な部分は変わらず、注意深く作成する必要があります。

3、自筆証書遺言を法務局が保管

自筆証書遺言のもう1つの問題点が、保管が難しいという点でした。大切に保管しておくのは当然ですが、あまりにわかり難い場所に保管しても、自身が亡くなった後に誰も気づかれないこともあります。

とはいっても、周知させておけば複製、改ざんなどの恐れがありますので、保管については難しい問題でした。しかし、今回の改正によって、法務局が自筆証書遺言を保管してくれる制度ができたため、保管についての問題はほぼ解消したと言えるでしょう。

4、療養看護への貢献は金銭請求可能に

過去においては、相続人でない方が亡くなった方への療養看護にどれだけ無償で貢献していたとしても、その後の金銭請求は一切認められていませんでした。

こちらについては何度も不公平感が問題視されていましたが、遺言書に記載するなどでカバーされていました。

しかし、今回の改正によって、相続人以外の方であっても、無償、かつ継続して亡くなった方の療養看護に努めていたことが認められる場合、金銭請求することが可能となったのです。

とはいえ、具体的な金額の算出については揉めるケースも想定されるため、請求する際、された際、いずれも注意が必要です。

5、自宅の生前贈与についての変更点

過去の相続法では、婚姻期間が20年以上の夫婦間において、自宅の所有者側からもう一方へ遺贈や贈与がされた場合であっても、遺産分割の際は特別受益があったとして、持ち戻し計算(その価額を受け取り分から減額すること)がされていました。

しかし、今回の改正によって、自宅の生前贈与は特別受益の対象から外されることになり、不動産だけでなく、預貯金なども確保できるように変更されました。

また、特別受益についてですが、過去は遺留分算定の際に、特別受益に該当する贈与があった場合、期間は関係なく持ち戻し計算の対象となっていましたが、法改正後は相続開始前10年以内に限定されることになりました。

6、遺産分割前でも法定相続分の預貯金は受け取れる

過去においては、遺産分割協議が終了するまでの期間、原則的には亡くなった方の預貯金を引き出す(受け取る)ことが困難でした。

例えば、葬儀費用の支払いや、収入がない状態の残された家族の直近の生活費、亡くなった方が残した借金の清算、といった名目であっても引き出しができませんでした。

しかし、今回の改正により、
遺産分割協議が終了していなくとも、その方の法定相続分に限り、引き出すことが可能となりました。

もちろん、家庭裁判所などの判断を求める必要もなく、金融機関と直接のやり取りで引き出すことが可能となっています。

法改正の恩恵を受けられるかは相続開始日次第

これまで相続法の改正について見てきましたが、必ず覚えておきたいのが、法改正の恩恵を受けられるかどうかは、相続開始日次第となっています。

上記の法改正は段階的に施行されているため、亡くなった日付によっては恩恵を受けられない場合がありますので注意が必要です。

もし、相続法の改正についてお悩みであれば、当事務所にご相談ください。

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