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【弁護士による判例解説】「遺言執行者による預貯金の払い戻し」 東京地方裁判所平成14年2月22日判決
今回は、本判決を通じて、遺言執行時のトラブルについてご紹介します。 1 遺言執行者とは 遺言執行とは、遺言の内容を実現する手続です。遺言の内容を実現するために、遺言者により指定され(民法1006条1項)、又は家庭裁判所により選任(民法101…
【弁護士による判例解説】特別縁故者のうち、「その他被相続人と特別の縁故にあった者」とはどのような者を指すのか
最近、亡くなった際に、相続人がいらっしゃらない方が増えています。相続人がおらず、遺言もない場合、相続財産は相続財産管理人が管理を始めます。 その手続きの中で、亡くなった方に特に縁のあった方が、全部あるいは一部の相続財産を受け継ぐことを民法は…
【弁護士による判例解説】「死亡退職金は遺産に含まれるか」
死亡退職金とは、本来、従業員本人に支給されるはずであった退職金を、その従業員の死亡により、遺族等が受け取ることになったものです。 死亡退職金については、被相続人が勤務していた企業等に退職金制度がある場合に支払われるものですが、相続との関係で…
【弁護士による判例解説】「生命保険金の受領と相続放棄」 福岡高等裁判所宮崎支部平成10年12月22日決定
今回は、死亡保険金を受領しても相続放棄ができるのかについてご説明します。 1 相続放棄の基礎知識 親が亡くなった際に、子は親の財産や借金を相続するかを決めなくてはならず、相続をする場合を「承認」、相続しない場合を「放棄」といいます(民法91…
【弁護士による判例解説】「相続分の譲渡と特別受益」 最高裁平成30年10月19日判決
相続人は、自身が持っている法定相続分を、他の相続人や第三者に譲渡することができます。 たとえば、父親が亡くなったときに母親が自身の相続分を長男に無償で譲渡し、後に、母親が亡くなって相続が発生し、長男と二男とが相続する場合、先に行った相続分の…
【弁護士による判例解説】「非公開会社(同族会社)の株式を代表取締役に就任する予定の相続人の一人が全部取得を主張できるか。」
非公開会社の株式も相続が発生してしまえば、遺産として遺産分割の対象となります。 また、経営が順調な会社の株式は、非公開会社といえどもかなり価値が高額になることもあります。 相続人が複数いる場合、相続により、株式が相続人に分散してしまうと、会…
【弁護士による判例解説】「特別寄与料をめぐる問題」
1.特別寄与料の制度の新設 被相続人の家業を無償で手伝っていたり、療養看護を行っていたなど「特別の寄与」をした相続人には、寄与分が認められ、当該相続人は、その分だけ他の相続人より多くの遺産が取得できることになります。これが寄与分制度です。 …
【弁護士による判例解説】「家庭裁判所による祭祀承継者の決定」 東京高等裁判所平成18年4月19日判決
今回は、本判決を通じて、亡くなった方が所有していた過去帳、仏壇や位牌等の祭具、お墓の承継者が家庭裁判所によりどのような判断要素で決められるのか、ご紹介したいと思います。 1 事実の概要 亡くなった母親Aの墓地使用権及び墓標等について、その権…
【弁護士による判例解説】「一度作成した遺言の撤回」 最高裁平成9年11月13日判決
遺言書を作成した後で、財産状況や、ご親族との関係性が変わるなどして、一度作成した遺言書を撤回したい、という場合もあるかと思います。 遺言の撤回については、民法1022条において、「遺言は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部…
【弁護士による判例解説】「遺産分割を経ずに被相続人が有していた投資信託の払い戻しを受けることが出来るか。」
相続人間で遺産分割が折り合わない場合、遺産分割というのは実に長い時間がかかることがあります。 相続税の支払いに巨額のお金が必要になることがありますが、預金で一部の払い戻しが認められているように遺産分割前でも、証券会社に対して自分が相続人とし…