相続分に納得できない場合の対応策とは?
他の相続人から提案された相続分にどうしても納得できない…
そういったお悩みを抱えている方、実はたくさんいらっしゃいます。当事務所においても、こうしたご相談を受けることが多々あります。
そういった場合、まず確認しなければならないのが、相手が提案してきた相続分が法律上、妥当なのかどうかです。相続には、「法定相続分」と呼ばれる決まりがあり、被相続人との続柄や、残された他の相続人によって、決められた相続分があるのです。
しかし、上記のようなお悩みを抱えている方の多くは、法定相続分通りで解決できるほど単純な問題ではない、という方も多くいらっしゃるのです。
そこで今回は、相続分に納得できない場合の対応策について見ていきましょう。
相続分において争いが生じる例
まずは、相続分において争いがある例の中でも、よくあるものについてピックアップしてみます。
1つ目が、生前贈与がある場合です。生前贈与というのは、亡くなる方が生前に特定の相続人にのみ財産を贈与することを指します。この生前贈与があった場合、特別受益があったものとして遺産分割の際に影響してきます。
たとえば、ある特定の相続人だけが自宅購入時に頭金を出してもらっていたとなれば、他の相続人からしては不満があるのは当然です。それなのに、遺産分割は法定相続分で、と言われても納得はできません。
2つ目が、寄与分がある場合です。寄与分というのは、被相続人の財産の維持や増加に大きく貢献した方がいた場合に財産を考慮する制度です。
たとえば、被相続人が体調を崩してから一緒に住み始め、その後、亡くなるまで看病をし続けていたとすれば、それをしていなかった他の相続人と同様の相続分では、納得できるはずもありません。
上記はよくある例ですが、その他にも相続分において争いが生じる例は多々あります。
相続分問題を解決させる対応策
では、相続分に納得できない場合はどのような対応策があるのでしょうか?
この場合、大きく4つの対応策があります。
1、遺産分割協議を開いて相続人全員で話し合う
冒頭で法定相続分について触れましたが、これは必ず守らなければならないわけではありません。
それゆえ、上記のような納得できないといったトラブルが発生し得るとも言えますが、こういった場合は、相続人全員で遺産分割協議を開いて解決させる方法があります。
よく揉めやすい相続というのは、特定の相続人が一方的に他の相続人と連絡を取り合い、情報の共有ができていない場合に生じやすいのです。これを回避する意味でも、一度、相続人全員で話し合いをしてみましょう。
とはいえ、相続人同士となるとどうしても感情的になってしまい、なかなか話し合いが進まないといったケースも実際には散見されます。そういった場合には、以下の対応策を利用しましょう。
2、遺産分割調停を利用する
相続問題で揉めた際の選択肢の1つに、家庭裁判所を介した「遺産分割調停」があります。遺産分割調停とは、家庭裁判所に所属している調停委員と裁判官を介して行う、いわば遺産分割協議の延長線上にある手続きです。
よって、基本的には相続人同士の話し合いで解決させていくのですが、家庭問題や法律問題のプロである調停委員と裁判官が関与することで、話し合いがスムーズに進む可能性が高くなります。
さらに、どうしても調停での解決が難しい場合は、裁判官が「審判」といった形で、最終的な決断を下してくれます。解決しない話し合いをいつまでも続けていても仕方ありませんし、裁判官から1つの結論を出してもらえるため、対応策として非常に有効です。
3、弁護士に話し合いに介入してもらう
相続問題を解決する際、いきなり裁判所というのも、なんだか大袈裟だなと感じる方は多いのではないでしょうか?そういった場合は、弁護士に話し合いに介入してもらうのも、よい対応策の1つです。
弁護士であれば、遺産分割調停を利用せずとも、専門的な知識はもちろん、他の相続人との仲介・交渉術にも長けているため、解決へと導ける可能性が十分にあるのです。
また、調停手続きというのは月に1度程度しか開かれず、少しずつ話し合いが進められていくことからも、どうしても時間がかかってしまいます。
特に、相続問題だと半年~1年程度かかってしまうケースも決して珍しくはありません。
しかし、弁護士であれば調停が開かれていない期間でも、郵便や電話などを利用することで、継続して話し合いを進めていくことが可能であるため、スピーディな解決も期待できます。
相続分問題は当事務所にご相談を
当事務所においても、何ヶ月もまともに進まなかった話し合いが、弁護士の介入により一気に進展したといったケースを良く見てきています。それほど、相続問題における弁護士の存在は大きいです。
また、当事務所においては精神面のサポートについても重要視しております。相続問題というのは、普段は家族や親族といった近しい方と揉めてしまうため、精神的負担が大きくのしかかってきます。それゆえ心を痛める方は、たくさんいらっしゃいます。
当事務所では、ただ相続問題を解決させるだけを目的とはせず、「問題解決後の相続人同士の関係性」についても視野に入れて手続きを進めていく方針です。もし、相続分問題にお困りの方がいらっしゃれば、ぜひ当事務所にご相談ください。