遺言信託にはどういったメリットがあるのか?

代表弁護士 多湖 翔 (たこ つばさ)

遺言信託という言葉、テレビCMやインターネット広告、街頭広告などで見かけて気になっている方も多いのではないでしょうか?

特に、遺言書作成を検討されている方は、一体どういった仕組みなのだろうか?といった疑問を抱いている方も少なくありません。

そこで今回は、遺言信託について少し詳しく見ていきます。

遺言信託とはどういったものか?

そもそも信託というのは、信託銀行などの金融機関が取り扱っている、金融商品の1つで、個人が保有するお金や不動産といった財産を金融機関に預け、運用してもらうことで利益を上げ、その利益を信託者と金融機関とで分配するといった仕組みです。

遺言信託というのは、単に信託とは少し異なり、遺言書を根拠に金融機関に遺産を預けて、その間に発生する利益を受け取ってもらいます。

その他にも、金融機関によっては遺言信託に付随して遺言書の作成サポートや、遺言書そのものの保管、死後の遺言執行を実現させるといったサービス商品も展開されてきています。

つまりは、一言で遺言信託といっても、金融機関によって様々なオプション、サービスが展開されていますので、気になっている方は個々に問い合わせてみるのが良いでしょう。

遺言信託を利用するメリット

では、遺言信託を利用するメリットについて見ていきましょう。

1、遺言書に関しての不安がなくなる

遺言信託をする場合、遺言書の作成はもちろん、保管は金融機関が行ってくれるというメリットがあります。そもそも遺言書は、自身で保管するのは非常に難しく、無くしてしまってもいけないし、誰も気づけないような場所に保管しても意味がありません。

こうした点からも、遺言書の作成や、保管に関する不安がなくなるのはまさにメリットと言えるでしょう。

なお、遺言信託の一環で公正証書遺言を作成する場合、原本は公証役場にて保管されますが、その控え(謄本といいます)については、金融機関側で保管してくれることが多いようです。

2、現時点での保有資産の活用についてアドバイスをもらえる

遺言を作成したからといって、すぐにそれが実行されるわけではありません。この先何年もまだまだ生き続けるとなれば、現時点での保有資産を有効に使いたいと感じるのではないでしょうか?

遺言信託では、こういった面で金融機関側からアドバイスしてもらえるメリットがあります。もちろん、中には元本保証していないような金融商品もありますので、リスクに見合う運用方法かについては、金融機関側の意見を鵜呑みするのではなく、自身でしっかり判断しましょう。

3、金融機関がつぶれる可能性は低い

こちらは目先のことではありませんが、そもそも金融機関が潰れる可能性は非常に低いです。

なぜなら、一般的な企業と比較しても資金面に不安がないのは目に見えて明らかです。よって、遺言書作成後、自身の死後が何年後になるかはわかりませんが、その間に金融機関がなくなっているかもしれない、といった不安を抱える必要がありません。こちらはまさにメリットと言えるでしょう。

またその他にも、金融機関によっては、定期的に資産状況の確認、遺言の見直しなどもサポートしてくれますので、長期的な目線で見ると利用を検討されてみても良いかもしれません。

遺言信託を利用するデメリット

遺言信託を利用するデメリットは以下のとおりです。

1、法的なアドバイスを受けられるわけではない

原則的に、金融機関側が行えるのは財産についてのみで、相続人との間のトラブルや、相続人の廃除といった、法的な問題についてはアドバイスすることはできません。

また、財産管理以外について言及した遺言書(遺言による認知など)については、取り扱うことができないとされています。遺言書の内容に制限がかかってしまう点ではデメリットと言えます。

2、事前にトラブルが予期される場合は取り扱えない

相続人同士の仲が悪く、すでに遺産分割に関してトラブルが起きている、またはトラブルが予想されるといった場合には、金融機関側は原則的に遺言信託を取り扱うことはできません。

こういった場合は、金融機関ではなく弁護士に相談するのが正しい判断です。紛争性が高い相続問題の取り扱いができるのは、専門家は弁護士だけとなっています。

3、費用負担が大きい

もともとの保有資産がどの程度にもよって異なりますが、遺言信託の利用には高額な費用がかかるケースがほとんどですので、大きなデメリットとなります。

遺言が実際に執行されるまで(自身が亡くなるまで)の期間、ずっと保管料を負担しなければなりませんし、どの程度の費用がかかってしまうかについては常に気にしておくようにしましょう。

遺言信託の利用は費用対効果を考えて

遺言信託を利用するのであれば、どうしても費用負担は避けられません。そのうえで、自身が望んだ結果が得られるのかについて、慎重に検討するようにしましょう。

また、遺言信託は遺言書の保管、財産の管理、運用については強みがあるといえますが、紛争性が強い、または法的トラブルを抱えている問題についてはめっぽう弱いと言えます。そういったお悩みをかかえているのであれば、金融機関に相談するのではなく、弁護士に相談してみてはいかがでしょうか?

遺言については、作成、遺言執行など、当事務所においても取り扱っております。なにかお悩みがありましたら、まずは初回無料の相談をご利用いただければ幸いに存じます。

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