離婚した相手との間の子や非嫡出子に相続権はあるのか? 

代表弁護士 多湖 翔 (たこ つばさ)
多湖総合法律事務所
所属 / 神奈川県弁護士会 (登録番号46487)

よく相続問題でトラブルになりやすいのが、すでに離婚した相手との間に子どもがいた場合や、非嫡出子(婚姻関係のない男女の間に産まれた子)がいた場合です。

もともとその存在自体を知らなかったり、疎遠になっていて連絡手段がなかったり、関係上とても話しにくいなど、理由は様々ですが、頭を抱えてしまう方が多いのではないでしょうか。

では、そもそも離婚した相手との間の子や、非嫡出子に相続権はあるのか?以下にて詳しくご説明していきます。

非嫡出子って?

非嫡出子(ひちゃくしゅつし)とは、嫡出子の条件に当てはまらない子どもを指しています。

嫡出子の条件は、法律上、婚姻している男女から生まれた子、婚姻してから200日以降、婚姻解消から300日以内に産まれた子どもが嫡出子です。

その他にも、婚姻前に認知され、その後、婚姻した子ども、婚姻中に認知した子ども、養子縁組をした子ども、などが嫡出子となっています。

つまり、非嫡出子とは、それ以外の子ども、主には認知されていない子が該当します。

子である以上は相続権がある

では結論となりますが、被相続人の子である以上、離婚した相手との間の子であろうと、非嫡出子であろうと相続権はあります。さらにいえば、その法定相続分についても、現在の配偶者との間との子が少ないことがありません。同等の相続分が発生します。

たとえ、その存在を知らなった、連絡が途絶えていた場合であっても、相続権に影響はありませんので、連絡を取って遺産相続についての話し合いをする必要があります。

もし仮に、相手を無視して勝手に遺産相続を行った場合は、その遺産分割協議は無効になります。まだ自身のものではない相続財産に勝手に手を付けてしまった場合は、相手から訴えられるリスクも生じます。

なお、過去の法律においては、非嫡出子の相続分は、嫡出子の相続分の2分の1と定められていました。

しかし、これでは不公平だという考えが広まるようになり、現在は、嫡出子であっても非嫡出子であっても、被相続人の子どもである以上、相続分は同様に取り扱うこととなっています。

知らない人との相続分は混乱を招くのが現実です

上記からもわかるように、被相続人の子であれば、相続分において区別されることはありません。

しかしながら、その存在自体を知らなかった相続人からすれば、突然現れた相続人に自らの相続分を持っていかれてしまった、と感じてしまっても無理はありません。

また、知らない相手と相続分について話し合いをするというのは非常に酷で、混乱を招く可能性が非常に高いです。

そこで、もし、すでに離婚した相手との間に子がいるという方は、事前に伝えておくのが好ましいです。どうしても自身の口から話せないのであれば、遺言書に記載するという方法もあります。

いずれにせよ、相続人が可能な限り混乱しないように配慮するよう心がけましょう。

遺産分割協議をうまく進めるために

通常、遺産相続する場合は、戸籍調査を行うことになります。その多くは、戸籍調査の中で自分たちが知らなかった相続人の存在が明らかになると言えます。

では、こういった場合、どのように知らない相手と遺産分割協議を進められればよいのでしょうか?まずは、相手の住所を知らないことには連絡は取れません。判明した相手の戸籍を辿って、現在本籍が置いてある場所を調査しましょう。現在の本籍地が判明したら、次は戸籍の附票を取り寄せます。

戸籍の附票とは、本籍地において把握している住所地の履歴のようなものです。戸籍の附票を取り寄せれば、相手の現在の住所地が判明します。その後は、まずはお手紙から連絡を取ってみるのが良いでしょう。

いきなり尋ねるというのは、相手も驚かれるはずなのであまりお勧めはできません。決して容易にはいきませんが、相続分が発生する以上、無視するわけにはいきません。

弁護士に依頼するという方法も

上記を見て、自分には少し難しいと感じた場合は、弁護士に依頼するのも方法の1つです。

弁護士であれば、戸籍調査はもちろん、相手との連絡、その後の交渉などすべてを任せることが可能です。あまり相手と話したくないのであれば、すべて弁護士を介してやり取りもできるのでご安心ください。

特に、今まで縁のなかった相手と同じ法定相続分では納得できない、といった主張がある場合、自分から提案できない方がいるのも無理はありません。

しかし、弁護士であれば、相続分について有利に進めていける交渉術を心得ていますので、相手次第とはなってしまいますが、満足のいく結果を導き出せる可能性が高くなります。

当事務所においても、交渉術に長けた弁護士が多数在籍していますので、こうした交渉問題にお困りの方はぜひ当事務所にご相談ください。

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